第28章 lovesickness (月島 蛍)
部活後、着替えた日向君と影山君と私の3人で坂ノ下に向かう。先輩達も、先に坂ノ下に着いているはずだ。そして校門を出たところで人影を見つけた。日向君はその人影を見ると走り寄った。
日「あれ?!遅くなるから帰っていいって言ってたのに・・・」
彼女「えっと、やっぱり一緒に帰りたくて・・・」
私は二人の様子を見て鼻の奥がツンとなった。
貴「日向君、彼女送るのは彼氏の特権だよ」
日「えっと、でも・・・」
帰りが遅くなった日は日向君にいつも送ってもらっていた。でも、彼女がいる人に送ってもらっちゃダメだよね・・・。
貴「私は大丈夫。他の人に送ってもらうから」
私は無理やり笑顔を作る。
日「ゴメン!ありがとな!!」
彼女はペコリと私たちに頭を下げ二人で帰っていった。
影「腹減ったし、早く坂ノ下行こうぜ」
貴「・・・うん」
私は顔を見られない様、影山君の後ろをトボトボと歩いた。