第28章 lovesickness (月島 蛍)
つばさsaid
その日もいつも通りに一日が過ぎるはずだった。日向君が声をかけてくるまで。
日「あのさ、つばさに話があるんだけど」
貴「どうしたの?」
日「実は俺、告白されて彼女が出来たんだ。一番仲いいつばさにまずは報告しようと思って・・・」
私は息が止まった。日向君は耳まで真っ赤ですごく嬉しそうだ。そんな彼を見ていたら”おめでとう、よかったね”って言うしかなかった。
人見知りの私がバレー部でマネージャーの仕事をこなせているのは、日向君のおかげでもあると思っている。
バレー部にも少し慣れてきて、彼を見てるだけでも幸せだって思ってたけど・・・。いざこうなると自分で思っていた以上に日向君の事が好きだったんだと実感する。ショックのあまり涙も出ない。
澤「じゃ、ロードワーク行くぞ!!」
日「あ、行ってくるね」
貴「うん」
私は日向君の後姿を見送った。
清「つばさちゃん、どうかした?顔色悪いけど」
貴「え、大丈夫ですよ」
清「今日、無理しなくていいからね」
清水先輩は何か感じ取ったんだと思うけど、いつものようにニコリと笑い仕事に取り掛かった。