第27章 Sparkling girl (木兎光太郎)
木「ヘイヘイヘイ!赤葦、その美人って赤葦のカノジョ?!」
貴(あぁ、この人が京治の言ってた”ボクトさん”だ)
つばさはすぐにわかった。っていうか、人が話している最中に大きな声で会話を遮るなんて無遠慮な人だと最初の印象は最悪だった。
廊下で赤葦と話していたつばさは聞こえなかったふりをして話を続ける。
貴「じゃ京治、今度の日曜はそういうことだから・・・。また連絡する」
つばさはそういうと木兎にペコリとお辞儀をして自分の教室へ入っていった。
赤葦はどう考えても面倒なことになりそうな予感がし、ロコツにイヤな顔をしている。
木「赤葦~、彼女だれ?何て名前?」
赤「・・・彼女は本家筋のいとこですよ。言っときますけど、彼女には関わらないで下さい。彼女箱入り娘ですから、俺は祖母からお目付け役を言い渡されてます」
木「お嬢様か~。ってことは赤葦もいいとこのボンボンってことになるのか?」
赤葦はだんまりを決め込んだ。詳しく話せばロクなことにはならないと経験上知っているからだ。
赤「ともかく、彼女に関しては忘れてください」
木「赤葦~、いいジャン。名前くらい教えてよ」
木兎は食い下がったが、赤葦が口を割らないので終始その日はぶつぶつと文句を言っていた。