第25章 マナツノヨル(夜久衛輔)☆
貴「お~い、衛輔。・・・衛輔くんってば~」
ス~ス~・・・。
返ってくるのは彼の規則正しい寝息のみ・・・。
貴「可愛い顔で寝ちゃって・・・」
私は虚しくなり、ベランダへと出た。
今日は彼の誕生日。幸運にも町内会の慰安旅行で互いの両親が不在となれば、いよいよ”ハジメテの日”のはずだった。
二人で夕食を食べケーキで誕生日を祝った後、
貴「も、衛輔、シャワー先に使っていいよ・・・」
夜「お、おう・・・」
そしてシャワーを交代し私が部屋に戻ると、衛輔は課題のテキストを枕に寝落ちしていたというわけだ。
私はため息をつきながら、この頃の彼を思った。うん、この猛暑で受験勉強、夏休みの課題に取り組み、かつ朝から晩までバレー三昧。そして強化合宿をこなしていれば身体も疲れているだろう。
でも、でもだよ。ハジメテなのに寝落ちってどうなの?私、女子力足りてない?!(大いにあり得る!!)
それとも幼馴染期間が長すぎて、空気みたいになっちゃってるの?!(すでに熟年夫婦?!)
・・・私だけが浮かれてたのかな。今日の為に普段あまり選ばないような可愛めのパジャマと上下揃いの下着を用意して着てみたのに・・・。