第24章 カレシノジョウケン(灰羽リエーフ)
その時、玄関からバタバタと足音が聞こえた。
夜「こらぁ!!リエーフ、なんでつばさと一緒にいるんだ!!」
リ「や、夜久さん!す、すみません。じゃ俺、帰ります!!また、明日おねがいシヤッス!」
夜「リエーフ!逃げんなあぁぁ!!」
お兄は去っていくリエーフの背中に叫び、彼の姿が見えなくなるとぐるりと私の方を向いた。
夜「・・・つばさ、何でリエーフと一緒に居たんだ?」
にっこりと笑ってるケド・・・。こ、これは相当怒ってる。
貴「あ、そ、その・・・リエーフが懸賞で当てたデザートバイキングに連れてってもらっただけで、お兄が思ってるようなこと・・・ないよ」
夜「ヤマシイことはひとつもないと?」
貴「うん、そうそう、何もないってば!」
夜「・・・つばさ、俺その靴見たことないぞ・・・。それにお前嘘つくと口の端がビミョーに動くの気付いてないだろ」
貴「!!」
思わず口元を隠す。
夜「・・・なんてな」
動揺する私を見て、お兄は黒い笑顔を浮かべる。
夜「ふ・・・ははは、俺の大事な妹に手ぇ出しやがって。明日覚えてろぉぉ!それからお前はもうリエーフに近づくな!!」
こういう時のお兄には逆らわない方がいい。私は反射的に首を縦に振っていた。