第24章 カレシノジョウケン(灰羽リエーフ)
のんびり歩き家に着いた頃には、大分辺りが暗くなっていた。
貴「あのリエーフ、今日楽しかった。ありがと。・・・明日お礼においなりさん作る」
さっきの手当の事を思い出し、顔が赤くなるのが自分でもわかり思わず視線をそらしてしまった。
リ「手作りっスか?!マジで嬉しいです。でもお礼なら欲しいものがあるんスけど・・・」
貴「何?」
ふいにリエーフの大きな手が私の両頬を包み、目線が合う。
貴「リ、リエーフ?!」
リ「つばささん、可愛いっス」
彼の親指が唇をそっと撫でる感覚に身体が跳ねた。でもどこかで期待している自分がいるみたい。だって、心臓がドキドキして身体が動かない。
リエーフの顔が近づき、私は目をギュッと瞑った。そしてクスリと笑った声が聞こえたと思ったら優しくて、柔らかくて、甘い唇が額に落とされた。
貴(お、おでこ///)
リ「俺、本気で好きですよ。彼女になって下さい」
貴「ぜ・・・全国連れて行ってくれたら、考えてもいい」
自分でもこういうところ、可愛くないって思う。なんで素直に返事できないんだろう。
リ「分かりました!絶対全国に連れて行きますから、待っててください」
当のリエーフは全然気にしてないどころか、いつもの調子でニカっと笑う。全国に進むと信じて疑っていない。
こっちが調子狂っちゃうよ。