第24章 カレシノジョウケン(灰羽リエーフ)
リ「ちょっと早いけど俺からの誕生日プレゼントです。ホントは誕生日に渡そうと思ったんですけど・・・」
確かにこれなら踵の部分がないから靴連れも痛くないし、今日の洋服にも似合う・・・。
貴「え、そんな。こんなのもらえないよ」
リ「今日はお試しの彼氏だけど、いつか、ちゃんとした彼氏になるんで彼氏らしい事させてください」
貴「・・・何でこれ選んだの?」
リ「え、さっき真剣に見ていたから、こういうの好きなんだな~と思って。それにつばささんによく似合ってます!」
貴「あの、そのう・・・うれしい。ありがとうリエーフ」
結局私はそのプレゼントを受け取った。
あぁ、ダメだ。いつもお兄たちにしごかれている彼しか見たことなかったけど、今日は部活では見られない彼の一面を見て、確かに心惹かれているみたいだ。
リ「それじゃ、家まで送っていきます。あんまり遅いと夜久さんに怒られますもんね」
貴「うん」
リ「サイズ大丈夫ですか?」
貴「ぴったり。・・・大事にする」
リ「よかったです!じゃあ、はい」
リエーフが手を差し出す。私は彼の手をそっと握り返し、家へとむかった。彼の手の暖かさを感じながら・・・。