第23章 恋の有効期限(及川 徹)
――― 心の奥底に沈めた想いに鍵をかけた。お願い、このまま幼馴染でいさせて・・・。
女1「及川さん、お誕生日おめでとうございます。これプレゼントなんですけど・・・」
女2「きゃ~~、及川さん!!」
及「ありがとう」
朝から、徹は女子に囲まれ誕生日プレゼントをもらい、皆へニコニコと笑顔を振りまいている。
その毎年の光景を遠巻きに、私と岩ちゃんは学校の正門をくぐる。
岩「相変わらずってより、去年よりすごくないか?」
貴「今年は3年生だし最後になるからね。朝からこの調子じゃあ、去年よりも盛り上がるんじゃない?それよりこれだけ祝ってもらえてたら、部でやらなくていいんじゃないの?」
岩「まったくだ」
そう、今年が最後になるんだ。いくら幼馴染でも大学は別々になるだろう。今までと同じとはいかないんだ。私は”あの時の選択”を思い出し胸が痛むのを感じた。