第22章 大好きだから・・・(日向翔陽)
そして21日―
烏「そいじゃ、ここ数日蒸し暑いから、今日は早上がりにする。自主練してもいいけど早めに切り上げて身体を休める事!!以上」
貴(やった!早上がりだ)
翔陽をそっと見るとニカっと笑ってくれた。
昨日ケーキを作っておいたから、後は準備だけ。ちょっとだけ片付けしたいし、きっと皆、坂ノ下に寄るだろうから・・・。
私はこっそり翔陽に話しかけた。
貴(30分後ぐらいにうちに来てね。用意しとくから)
日(わかった、後で)
学校からうちは歩いて15分ぐらいだ。今日は親も仕事で遅いし、ご飯も一緒に食べれそう。うん。簡単だけどご飯も作ろう。楽しみになってきた。
一通り用意もできたし、いつ翔陽が来ても大丈夫。なんだかソワソワしてきちゃった。けど、30分を過ぎても一向に翔陽は来ない。
携帯に連絡を入れても出てくれない。
・・・あ、何か嫌な予感がする。影山君と一緒にいるのかも・・・。
15分後もう一度、翔陽の携帯に連絡を入れる。ダメだ、繋がらない。仕方なく孝支に電話を入れて聞いてみると坂ノ下に二人は来なかったらしい。
菅「今日、日向の誕生日だろ?」
貴「うん」
菅「・・・大丈夫か?」
貴「うん、平気」
私は力なく言うと電話を切った。