第22章 大好きだから・・・(日向翔陽)
貴「なんだかさ、恋人同士になれば何でも上手くいく気がしてたんだけど・・・。現実ってそう甘くないんだね」
菅「まぁ、相手にもよるし”そういう付き合い”もお互いに初めてだから仕方ないべ。」
貴「でもさ、付き合ってもう2か月もたつのに手しか繋いだことないんだよ!」
菅「日向もそういうところは奥手だから・・・。それに日向は高校はいってやっとバレーが思いっきりできる環境になったわけだし、今の状況お前もわかってるだろ?まぁ、それと彼女を比べる事なんてできないけどな」
貴「・・・」
菅「だからさ、いい加減夢見るのはやめて現実の日向と向き合ってやるべ」
貴「・・・そうだよね、孝支ごめん。私帰るね」
菅「送るか?」
貴「大丈夫、また明日ね」
まだ2か月しか経験のないマネだけど、浮ついたこと言ってる暇なんてない事ぐらいわかってる。
6月インハイ予選。烏野は青葉城西に負けた。そして今、春高予選に向けて部員一丸となっている。とりあえず目の前の目標は期末試験の赤点を回避し、東京遠征だ。
土日も練習とテスト対策でデートなんてする暇もない。
でもさ女の子だって、そろそろキスしたいって思っちゃいけないかな。私からしたら・・・うん、きっと翔陽は喜んでくれると思う。だけど夢見ちゃだめ?ファーストキスなんだもん。翔陽からしてほしいって思っちゃうんだよ。
ってこんな事考えてるから、理想求めてるなんていわれちゃうのか・・・。
21日は翔陽の誕生日、せめてお祝いぐらい二人でしたい・・・。一緒にケーキでも食べて、プレゼント用意して・・・。うん、明日翔陽に聞いてみよう。