第20章 Pillow talk (岩泉 一)☆
意識が落ちる前に小さな音で目が覚めた。スマホのアラーム音だ。つばさのか?
俺は目をこすりつばさの顔を覗き込む。つばさはもぞもぞと動き、俺と目が合うとフニャリと笑った。
貴「お誕生日おめでとう。ハジメ」
岩「わざわざ0時にセットしてたのか?」
貴「うん、そう。今日は特別な日」
岩「そうか?単なる誕生日じゃねーか」
貴「でもハジメが生まれてなくて、出会えていなかったら私今みたいに幸せじゃないと思う。だからやっぱり特別な日だよ。ハジメありがと」
つばさは俺にキスをする。いつもは恥ずかしがって自分からはしないのに。
貴「お昼には、揚げ出し豆腐作るからね。オヤスミナサイ」
つばさは顔を真っ赤にして布団の中に潜り込もうとするが、そうは問屋が卸さない。
岩「バーカ、こんなふうに煽っといて寝かせるかよ」
女はつばさしか知らないが、それで十分過ぎるほどだ。つばさが側にいて、バレーが出来るだけで最高に幸せだと思う。でもそんなことは口が裂けても言えない。そのかわりに、再び彼女を抱き白い胸元に赤い印を残した。
END
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