第19章 笑顔の先・・・(二口堅治)
そして小梅がいなくなってから10日、つばさから元気な声で電話があった。
貴「やっと小梅が見つかったの。保護してくれた人がいて、今引き取って帰って来た。堅治も探してくれてありがとう。お礼に奢るからごはん行こうよ」
二「見つかってよかったな。じゃ、お言葉に甘えて・・・」
俺たちは駅前で待ち合わせをして、ファミレスでご飯を食べながら話をした。
どうやら小梅は野犬に襲われ怪我をしていて、保護してくれた人が病院に連れて行ってくれて命が助かったらしい。そしてその人が偶然にもつばさの先輩の友人だったことから話が伝わり、やっと帰ってこれたとの事だった。
俺は久しぶりにつばさの笑顔を見て安心した。
貴「それからね、その人・・・ごめん、やっぱりなんでもない」
つばさは何故か顔を赤くしていた。
二「言いかけてやめんなよ。気になるだろ?」
貴「ごめん、やっぱり今度話すよ」
二「なんだよ、それ~」
貴「ごめん、ごめん。ねぇ、この後カラオケ行こうよ!」
俺は彼女が言いかけた言葉が気になったけど、カラオケに行き二人で盛り上がった後にはその事をすっかり忘れてしまっていた。