第19章 笑顔の先・・・(二口堅治)
貴「堅治~、助けてよ~~」
そう言っていつものように、ノックもせずに部屋に入ってきたのは幼馴染のつばさだった。
二「なんだよ、今日はどうしたんだよ」
貴「・・・期末テストの化学がやばい。デザインの課題に手間取ってたら、勉強する時間たりなくなっちゃって・・・」
二「またか、ホント学習しねーな」
貴「このままじゃ、進級がやばい・・・」
二「お前は一回心折れろ」
貴「また、そんなこと言って。お菓子とジュース買ってきたから教えてよ~」
二「ったく、しょーがねーな」
つばさは伊達校のデザイン科に通っている。もちろん一般教科もあるわけで、成績が悪ければ進級にも影響する。専門教科はいつも優秀なクセに一般教科はからっきしだ。
俺もそんなに成績がいい方ではないが、つばさに比べれば随分マシな方だと思う。
こんなわけで毎回テストが近づくと俺のところにやってきては、二人で勉強するのが定番になっていた。