第18章 On your side・・・(2)(岩泉 一)
つばさsaid
体育館裏に呼び出しされたら、わかってるのに・・・。なんで私、断れないんだろう。
男2「俺と付き合ってくれない?」
貴「私・・・でも・・・」
男2「友達からでいいからさ」
岩「つばさ!、そんなとこで何してんだよ。行くぞ」
男2「岩泉、ジャマすんなよ」
岩「俺の彼女に手ぇ出すな」
男2「何ぃ!マジか?!」
貴「え、あ、あの・・・」
岩(いいから黙ってろ)
ハジメちゃんは私の腕を掴みその場から離れた。
誰もいない校庭の隅に着くとハジメちゃんはやっと腕を離してくれた。
岩「お前なぁ、あんな奴らのいいようにされてんじゃねーぞ!」
貴「え?」
岩「お前はそう思ってないかもしれないけど、下心しかねー奴だっているんだ。下手すりゃ、餌食になるだけなんだから少しは自覚しろ。見ててハラハラすんだよ!」
下心って・・・?!私はやっと言っている意味を理解した。
貴「・・・ごめん。心配かけて・・・」
岩「・・・俺も怒鳴って悪りぃ」
貴「でも、あんなこと言ったら、ハジメちゃんに迷惑がかかる・・・」
岩「俺、彼女もいねーし気にすんな。ってか、お前、ホントに好きなヤツが出来るまで俺の彼女のフリしてろ」
貴「な、何でそこまでしてくれるの?」
岩「あーいうヤツラが嫌いなんだよ」
後ろを向いたハジメちゃんの耳が真っ赤だ。私も・・・きっと顔赤い。
守ってくれたんだ・・・。
貴「あ、ありがと・・・」
その時予鈴が鳴った
岩「やべ、予鈴だ。急ぐぞ」
ハジメちゃんは私の手を取り走り出した。
ハジメちゃんの手、温かくて優しい大きくて・・・何だかドキドキする。
男の子にこんなこと感じるの初めてかもしれない・・・。