第13章 Blue day (田中龍之介)☆
田「・・・なぁ、やっぱりお前また眉間にシワ寄ってるぞ。何かあんだろ?」
貴「自分の勉強の心配をして下さい」
田「言うだけで楽になるかもしんないだろ」
私はついに思いをぶつけてしまった。
貴「あんたが悪いのよ!小学校までチビだったくせに、中学に入ってから背がどんどん伸びちゃって、スパイクだってサーブだって私のほうが上手かったのに!私、どんどん置いてかれて・・・」
龍はポカンとしている。そう、自分だって理不尽な事を言ってるってわかってる。
田「おいおい、それは男女の差だろ?仕方ないだろーが」
貴「私、男に生まれればよかった。そしたら、あんたをケチョンケチョンにできたのに」
田「なんだよ、そりゃ。俺はお前が男だったら困る!」
貴「何で困るのよ」
田「わかんねー奴だな!」
急に腕を引っ張られて、あっという間に龍の腕の中だ。
田「・・・つまりは、こういうコトだ」
貴「~~~は、離してよ。・・・潔子さんの事、好きな癖に・・・」
私は龍の胸を押し、身体を離そうとした。でも、力ではやっぱり勝てなくて、龍の腕にすっぽりとおさまったままだ。