第13章 Blue day (田中龍之介)☆
それから一週間後、珍しく龍が私に頼みごとをしてきた。
田「頼む!つばさこの通りだ!!」
貴「縁下に頼めばいいでしょ!」
田「土日は縁下に頼んである。でも平日にもやらねーと間に合わねーんだよ!!」
どうやら今度の期末試験に赤点を取ると、東京遠征に行けなくなるらしい。龍も必死だ。
遠征に行きたい気持ちは痛いほどわかる。仕方がない、教えるとするか。
私はため息をついた。
貴「じゃあ、平日1時間だけだからね」
田「おー、救世主!つばさありがとな、助かるぜ!!」
大げさな龍に私はつい口元が緩んだ。
貴「何よ、それ」
田「お、久しぶりに笑ったな!」
貴「え?」
田「お前この所ずっと眉間にシワ寄せてるから、心配してたんだぜ。なんかあったら俺に言えよ」
背中を軽く叩かれる。
貴「・・・うん。ありがと」
やだ、私ちょっと嬉しくなってる・・・。
田「じゃ、さっそく今日から頼む」
私たちは龍の家に向かった。