第12章 ツキアカリノシタニサクハナ(菅原孝支)
澤「スガ、悪い。部室のカギ頼んでいいか?」
練習が終わり、大地が部室の施錠を頼んできた。
菅「いいけど珍しいな」
澤「おぅ、ちょっとな。じゃ、お先に」
大地が出て行った部室で俺はため息をついた。このままではいずれ練習にも勉強にも支障が出るかもしれない。いっそのこと告白して、すっぱり諦めた方がいいんだろうか・・・。
校門を出たところで、後ろから肩を叩かれた。
貴「菅原、どうしたの?ボーっとしてるよ。練習疲れた?」
菅「桜井。いや、ちょっと。・・・それよりこんな遅くまでどうしたんだ?」
貴「図書室で調べもの。ギリギリまで粘ってたら図書委員に捕まって、仕事手伝わされちゃった。・・・そういえば二人で話すのって、久しぶりだね」
菅「そうだな」
あれ?俺今まで桜井とどんな風に話してたっけ?・・・部室でいろいろ考えていたから、何だか緊張する・・・。相当テンパってるな。
あれこれ考えていた俺は、大地と清水が並んで歩いているのが目に入った。
菅「あれ?大地と清水だ。だいぶ前に出たと思ったんだけどな」
菅「おーい、大t
貴(菅原!)
桜井に名前を呼ばれ、腕を引っ張られる。
貴(邪魔しちゃ悪いよ)
菅「え?」
二人は仲よさそうに手をつなぎ、笑顔を向けあっていた。