第12章 ツキアカリノシタニサクハナ(菅原孝支)
いつものように店に寄った俺は会計を済ませ外に出た。その後を追うように、私服に着替えた桜井が店から出てくる。
菅「あれ?今日は手伝いもう終わり?」
貴「うん、明日英語の小テストあるでしょ。私、英語苦手だから早めに切り上げて勉強しようと思って」
菅「え、マジ!小テストあるんだっけ?!」
今日は他の教科の課題で頭がいっぱいだった。英語は明日もあるからと教科書を学校の机の中に置いて来てしまった。英語は1限目だ・・・。
菅「・・・課題にばっか頭いってた。英語の教科書、机の中だ・・・」
貴「お~い受験生、たるんでるゾ」
菅「今から、学校に戻って・・・、いや、でも」
・・・今から戻っても校舎の中に入れない可能性が高い。俺はどうしたものかと思案していた。
貴「しょうがないなぁ、ウチで一緒に勉強する?」
菅「え、いいのか?」
貴「うん、黙っててくれてるお礼ね」
菅「助かる!ありがとう」
貴「こちらこそ。それじゃ、行きますか」
俺たちは彼女の自宅へと向かった。