第12章 ツキアカリノシタニサクハナ(菅原孝支)
貴「お待ちどうさま」
菅「待ってました。いただきます」
俺は麻婆豆腐を口に入れた。
ちょうどいい辛さの中に旨味を感じる。今までで一番うまいと思った麻婆豆腐だ。俺はもちろん完食した。
父「兄ちゃん、つばさと同じクラスか。なかなかやるな」
菅「菅原です。今まで食べた中で一番おいしかったです」
父「そうか、ありがとよ。つばさ、あれをお出しして」
貴「はーい、特製杏仁豆腐です。食べきった人にサービスだよ」
父「それは、つばさが作ったやつだ」
菅「桜井、すごいな」
彼女は照れ笑いを浮かべている。俺は一口食べた。ツルリとした触感とちょうど良い甘さが口の中に広がる。
菅「ウマいよ」
貴「よかった」
彼女はにっこりと笑った。今まで見たことのない笑顔だ。やっぱり可愛い。
俺は会計を済ませ家へと帰った。なんだか今日は得した一日だと思いながら・・・。