• テキストサイズ

Hello,Good bye【岩泉一】

第10章 一言




『一くん、あのさ……』
「別れるつもりなんてねえから」

の言葉を遮って、俺は言う
顔をゆがめて、泣き出す
何度も謝った
「迷惑いっぱいかけちゃう、ごめんね。ごめんね」

何度も何度もは謝った

「謝んなよ。笑えよ。俺はの笑った顔が見たい」
『う、ん……。一くん、こんな私だけどずっとそばに居て』
「当たり前だ、ずっとそばに居る」

大きな瞳からぽろぽろと涙をこぼす
そんな彼女を俺は抱きしめて、背中を擦る
子供のように泣きじゃくって、疲れたのだろうか
閉じ込めている腕の中から規則正しい寝息が聞こえた

俺は、を寝かせ、彼女の頬に唇を落とした

きっとこれからは幻肢痛に苦しめられる
自分の脚が痛んだような気がした
……バカだろ、俺は

自分が苦しんでも意味ないだろ
本当につらいのはあいつのほうなんだから
俺にできることは

「あいつを支えること、だよな……」

暗い空の下、俺はそうつぶやいた

/ 167ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp