第10章 一言
朝のHRの時間
担任が入ってきて
「つい先ほどさんが意識を取り戻したようです」
その言葉にクラス中が喜んだ
うれし泣きする奴もいた
俺は、突っ立ていた
が意識を取り戻した……
「よかった……」
言葉にすれば、それは現実味を帯びてくる
今まで抱いてきた不安なんて跡形もなく消え去って
俺は、一粒の涙を流した
それをクラスメートに見られて恥ずかしくて、乱暴に拭いた
すると、友人が肩を抱いて
「別に隠す必要ねえべ!!泣くくらい嬉しいよな!俺も嬉しい!!意識戻ってよかったな!!!!」
「っ、おう!!」
張りつめていた糸が切れて、俺は涙を流した
今日、病院に行こう
早く、に会いたい
その日の授業はやけに早く感じた
部活も調子が良かった
「片付けは俺達がやるから岩ちゃんはちゃんの所に行きなよ」
「及川……。悪ィ。今度牛乳パン奢る」
俺はジャージ姿のまま病院へと向かった
後ろからは、「牛乳パン3日分ねー」という声が聞こえたが、1日分だ、ボケ!!