第1章 君と僕は許嫁
放課後
部活の時間になり、体育館へ行ったら
俺達のことは既に広まっていたらしい
「岩ちゃん聞いたよ!ちゃんと許嫁なんだってね!どこの漫画の世界かと思って爆笑しちゃったよ!!岩ちゃんのくせにやったじゃん!」
「俺のくせにってどういうことだクソ川」
「ごめんごめんごめん!!」
ボールを片手に持ち、スパイクを及川の背中にぶつける
なんか腹が立ったし、なにより顔がうざかった
「で、その子はどこにいるんだよ」
「あー…図書室」
「なんで連れてこなかったんだよ」
「一人ぼっちでかわいそうだなぁ」
松川と花巻の言葉に俺は口を紡ぐ
テメーらに冷やかされるのが嫌で連れてこなかったんだよ、ボゲ
その日の部活は、先輩たちにもからかわれて終わった
くそ、何で俺がこんな恥ずかしい思いをしなきゃなんねえんだ
ニヤニヤするチームメイトをよそに、俺は部室を出て、図書室へと走った
暗くなった廊下、誰も居ない教室を通り過ぎ、
一つだけ、電気の付いた教室を目指す
図書室、書かれたプレートを見つけ電気がついていることを確認し、その扉を開ける
本を読んでいたらしいは、顔を上げ俺の姿を映す
少し乱れた息を整え、彼女が座っているテーブルに歩み寄る