第8章 無力少年は立ち上がる
授業が終わり、SHRの時間
担任は言った
「さんの親御さんから先ほどさんの容体を確認しました」
教室はシンと静まり返る
聞こえるのは時計の秒針の音だけ
ぐるり、担任は俺たち一人一人の顔をみる
「命に別状はないそうです」
その言葉にクラスの奴らは喜んだ
と仲のいい友人たちは泣いていて
俺も、ホッと息を吐いた
生きていた……
涙があふれそうになって、それをあわてて隠した
「しかし、まだ意識は戻っていないようです」
意識はまだ戻ってないのか
でも、生きていたっていう事実がわかれば今はそれだけでいい
死んでさえいなければ、いつだって会いに行ける
担任は交通事故の内容を話してくれた
一瞬だけ、目が合ったような気がする
事故は今朝の7時半に起きた
軽自動車との接触事故
運転していたのは40代の女性だったらしい
登校していたにその車は突っ込んだ
は車とコンクリートの壁に挟まれる形になったらしい
女性は急いでバックをして隙間を作ろうとしたが、女性が踏んでいたのはアクセルだった
女性もパニックっていたのだろう
バックだと思って何度もそれを踏んだ
そしては何度も押しつぶされた
これが交通事故の概要だ