第1章 君と僕は許嫁
幼馴染の及川と学校に向かう
いつも通り及川をどつきながら、どうでもいい話で盛り上がる
体育館に着き、更衣室でジャージに着替え、朝練開始
もう少しでIHがある
全国の舞台に行くため、俺たちは毎日練習をする日々
つらいなんて思ったことはない
ただ、目の前に映るものしか見えていない
それを勝ち取るために、俺たちは精を出している
朝練が終わり、ジャージから制服へ、体育館から教室へと移動する
自分のクラスに入り、自分の席に座る
疲れた身体を癒すため、机に突っ伏し寝ようと思った
でも、
「あれ、さぁ、髪切った?」
『え、うん』
「だよね!ショートボブにしたんだ。似合うじゃん!!」
、という単語に俺は眉を動かす
って親父が言ってた俺の許嫁か?
気にならないわけじゃない
机に突っ伏していた顔を少しだけ上げ、声がする方向を向く
女友達と話をして笑っている、ショートボブの女子
こいつが
俺の許嫁か……
と目が合ったような気がした
思わず目線を逸らす
あ……、ちょっと俺嫌な奴だ
目が合ったのに逸らすとか、性格悪すぎるだろ
ちらりと彼女を見れば、彼女は気にしていなかったみたいで
友人と会話を弾ませていた
その様子を俺は静かに見つめていた