第3章 涙の決意
肩に手を置かれる
その手の中にある、背負っていたたくさんのモノが伝わってきた
重い……
背負いきれる気がしない
「あと、来年は絶対に全国に行けよ!」
先輩の笑顔は俺の心臓を締め付けた
「今日から部長の及川さんだよ☆本当は今すぐにでも練習したいところだけど、体を休めてほしいので、明日の部活はなしにするよ」
あっけらかんと言う及川だが、その目は赤く泣くのを我慢してるんだなってわかった
先輩たちは泣きそうになってる及川をからかい始め
それに群がるようにみんなも騒ぎ出す
しばらくすれば、部員たちは体育館を出て行ってしまって
残ったのは俺と及川の二人だけ
及川は、オーバーハンドパスをずっと繰り返していた
俺は、壁に向かってスパイクを続けていた
「ねぇ、岩ちゃん」
「あ?」
ボールを打つ手をやめる
「来年は、負けない。そのためには前に進むしかないんだ」
「…………」
「よし、気合入った!俺帰るけど岩ちゃんは?」
「あー……もう少しここにいる」
「そう。でも心配かけちゃだめだよ、ちゃんに」
及川に言われて体育館の入り口を見る
するとそこには、俺のことをずっと待っていてくれたの姿があって、申し訳なさそうに笑っていた