第18章 思う想いと重い思い
松川、お前はいい男だ
を譲ることはできないが
でもきっとお前の前にはあいつみたいないい女が現れるはずだ
だって、こんないい男をほっとく女はいないと思うからよ
「部活行くか、岩泉」
「おう」
俺は、松川の背中を叩いた
「いてっ」と言って俺をにらむが、俺は歯を見せて笑った
廊下を歩いていると、ちょうどと会った
は困ったように笑っていて、松川は口元を緩め
「部活、来るか?」
と、頭を撫でた
は嬉しそうに笑って
『うん!!』
子供のように大きな声で返事をした
なんだ……
心配する必要、なかったじゃないか
二人の背中を見つめ、俺も彼らの後ろを追いかけた
部室に行けば、及川は「よかったね」とすべてをわかっているかのような口ぶりだった
「サンキューな」
「!!い、岩ちゃんがデレたっ!?」
「うぜえ!!」
「アダッ!!」
茶化さないとこいつは人の礼すらまともに受け取れないのかよ
ギャーギャー騒ぎながら、俺達は体育館に向かった
部活終わり
いつものように二人で帰る
ニコニコといつも以上に上機嫌な
俺も自然と口角が上がる
その時、俺はの袖から除く手首に青あざを見つけた
「おい、その痣どうした?」
『えっ……あ、ううん。何でもないよ!机にぶつけちゃって』
あわてたように、痣を隠すように袖を伸ばす
「気をつけろよ」なんて、心配したような口ぶりで言ったけど
この時すでに気が付けばよかったんだ
何も言わなかったこいつも悪いと思う
でも、何も気が付かなかった俺も悪い
は密かにクラスの女子の中でいじめにあっていたのだ