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泥沼恋愛

第3章 悪魔な天使


「おぉ、少年何用だい?」
杉浦は、アタシの右手を見ようとした。
が、アタシはサッと右手を隠した。
「右手、見せて。」
「却下。」
「却下じゃなくて、見せて。」
「プライバシーの侵害ですわ。」
「いや、意味わかんない。」
半ば強引にアタシの腕を引っ張った。
「やっぱり...ごめん、俺の」
「言っとくけど、あんたは悪くない。」
予想外の答えだったのか、杉浦はアタシの顔を見て、
「いや、でも。」
「でもじゃない、あと手いつまで握ってんの。」
あっと言って握っていた手を離す。
「気にしないで、アタシが前見ないでいたからなの。本当に謝るのはアタシの方、ごめんね。」
「そっか...あ、サボってた事いわないほうが良いよね?」
アタシは一瞬呼吸をするのを忘れていた。
「あんた、それっ!!?」
ニヤッと笑って、
「やっとまともに俺のこと見てくれた、で...どうする?」
「アラー、サボってたの!だめよ、鈴本さん!」
「...先生、棒読みだよ。知ってたでしょ、最初から。」
テヘッと舌を出して笑った。
「あら、バレてた?」
まあ、いいや逃げよう。
「どこ行くの、鈴本さん。良いの?担任の先生に言っても。」
何こいつ!性格変わりすぎじゃん、これだからイケメンは性格悪いって言われるんだよ。
「聞こえてるよ、全部。」
悟った。
(あぁ、これ逃げられないな。)
「...誰にも言わないで、よ。」
「うん、いいよ。でもそのかわり...」
「嫌だ。」
「まだ何も言ってないよ、俺。」
「嫌な予感しかしないもん。」
杉浦は、あははと大袈裟に笑った。
「大丈夫だよ、俺と友達になってもらうっていう条件だよ。」
「嫌な予感的中。」
「え!?俺と友達になるの嫌なの?なんでよー。」
「だってウザそうだもん、あんた。」
アタシは笑って答えた。
「冗談よ。」
そして、噂のイケメン君はニコッと音がしそうなとびきりの笑顔で、
「良かった、よろしくね可愛いお嬢さん。」
と、言った。
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