第2章 秘密
思えばあれが初恋で、一目惚れ。
そこそこに顔が良かった俺は告白されたことも一度か二度はある。
だか、人を好きになった事はなかった。
顔を赤らめて必死に言葉を紡ぐ姿は頑張ってる感がすごく伝わってきて、断るこちらとしても少し罪悪感があったけれど…。
まさか自分そちら側に立つ日がくるとは、誰が考えていただろう。
高校三年生になって、初めて同じクラスになって。
それまで全く彼女の存在を知らなかった自分を恨んだ事もあった。
何事にも興味を示さない彼女。
教室でその姿を見る度に高まる胸の音を何度聞いてきただろう。