第2章 秘密
「そっか…」
俺の言葉を否定することも肯定することもなく、彼女はショートケーキに乗っていたイチゴをぱくりと頬張った。
こうして彼女が自分の部屋に居ることにも慣れてきた今日この頃。
彼女がこうして俺の家に来る時は、大抵家庭で嫌なことがあった時だ。
今回も何かあったのであろう横顔を見つめながら、俺がその事に触れることはない。
食べかけのショートケーキを端によけた彼女はまたソファーに体を預けると、もぞもぞとそこによじ登る。
「着替えないと制服シワになるよ?」
そう問いかければ彼女は嫌な顔をしながらも制服を脱ぎ捨て、すでに私物化としている俺のたんすの一角を開けてパーカーを取り出す。
短いズボンを履いてパーカーを羽織った彼女。