第9章 狂犬?注意-双子座一族の薙刀士-
「もっ…ゃ、ぁっぁぁ!」
それからのことはもう、○○は自分が何をされているのか、どんな姿を晒し、どんな風になっているのかさえ、分からなくなっていく。
感じるのはただ、ナギによってもたらされる苦しいくらいほどの快楽と、
「好きだ…好きだよ、○○……っ」
身も心も侵食するような、切なく吐き出されるナギの囁きだけ。
そして○○にできるのは、ただ高く低く、啼き声を上げることだけだった。
皮肉にも、そんな○○の喘ぎがナギを更に煽り、滾らせることを、○○は知らない。
ぷちゅ、くちゅっ。
「ぁ、ぁぁあっ、ぃやぁ……っ」
「嫌じゃないよね?それに、痛いのも、なさそう」
ぐちゅぐちゅといやらしい音がする場所で、ナギが何かを言っているけれど、○○にはよく分からない。
刹那、
くちゅんっ!
「ひ、ぁぁぁっ」
何かが弾けて、一瞬気が遠くなる。
「ゃっ、ゃぁ、ぁっ……」
それきり、がくがくと震えてしまう身体が止まらない。
力の入らない身体を、ナギの手が撫でたのが分かった。
「んぁぁっ」
「こんなに感じて…すごい、可愛い。可愛くて…やらしくて、すごく…綺麗……」
ちゅ、ちゅ、とあちこちに接吻をされるのを感じて…それから……。
「俺だけの…○○……」
愛してるよ、と聞こえた気がして…その直後に“それ”は○○は襲った。
「ひぁっ!?んあぁ、ぁっっ!」
「っ、○○………っ!」
ナギが…挿ってきた。
真っ白な意識の中でも、それだけは、分かった。