第14章 それは『悪戯』という名の…-具羅摩-
どれほど周到に企図して自らのものとした玩具も悪戯も、あるいは遊びも、事が成ればすぐに飽きてしまうのが、これまた『悪魔の寵児』と称される所以でもある。
過去にも○○同様に手に入れ、気に入った存在は数あった。
が、人も人外も問わず、どれも長続きはせず、すぐに興味を失くすや、そのまま捨て去り、中には壊れてしまったものもあった。
それを思えば、○○もまた、早々に飽きて終わるはず…だった。
少なくとも、具羅摩自身、そう思っていた。
なのに……。
「ぁっ…ぁぁっ、んっ、ぁ…ぁっ」
「今日も良い声だ」
「ぃ、ゃ…ぁっ」
「嫌?ふん、嘘吐き」
ずぷ…んっ!
「ひゃぁ、ぁぁっ!」
南瓜祭など、とうに過ぎた今も、具羅摩は○○を組み敷き、貪る日々を続けている。
やがて一ヶ月が過ぎ、三ヶ月が過ぎても、具羅摩は飽きるどころか、○○への執着を深めている己に気付いて愕然とした。
かつてこんなことがあったか、と考えても、どんなに気に入ったとしても、長くもって一ヶ月が最長記録だ。
なのにこれは、一体どうしたことなのか。
飽きるどころか、○○を抱きたくて堪らない自分がいるなんて。
○○を見ていたい、そんな自分が存在するなんて……。
「何なのよ、これ?」
具羅摩は常の女言葉を操りながら、得心できない自らに苛立った。
どうしてこんな風になっているのか、具羅摩には分からない。
否…予測は出来たが、認めたくなかった。
それゆえに具羅摩は、まるで自らに抵抗でも試みるように、○○から距離を置いてみた…のだが。
「何で、他の男と笑ってんのよ!?」
自分以外の男の傍にいる○○を見ただけで不快極まりなく、距離を置く作戦は即日撤回。
これに留まらず、具羅摩は己の心に生まれたであろうものから、ひたすら目を背け、否定し続けた。
だがそれでも、強引に○○を抱くことはやめられない。
そしてこれまた当然だが、一方的に抱かれる少女が、その相手(具羅摩)に微笑みかけるはずもない。