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陰陽の道≒式神との道

第13章 遠い約束-氷獣鬼-


なのにこの獣は、爪を立てるどころか、自分を傷つけぬよう、細心の注意を払うように肌に触れ、舌を這わせて……。

「ぁ、ぁぁぁっ!?」

濡れそぼった場所を、獣の鼻先が掠めるのが分かる。
驚き以上の刺激に跳ね上がる身体は、しかし圧し掛かる体躯によって自由が利かないまま、獣の舌で執拗に責められ、びくびくと痙攣するような震えを繰り返した。
○○は頭が真っ白になって、何が起きたかすら分からない。

「は…は…っ、ぁっ」
「まこと…うぬは良き香りだ……」
「…………?」

満足げに獣が告げる『香り』とは、いわゆる体臭ではない。
一度番えば、終生互いだけを伴として寄り添う、鬼にして獣である存在にとって、番う相手を求め捜す導となるものが、相手の『匂い』なのである。

それは人間でいうところの、その者が持つ独特の雰囲気であったり、気配に相当するものだが、獣である彼が感じ取るそれは更に鋭く端的で…そして確実なものだ。

「あの折、うぬを救ったのは、この香りゆえ……」

その香りに獣は酩酊し、己が番いとすべき相手と確信した。

だが、当の娘は未だ幼すぎた。
ゆえに生命を救い、しかし決して逃さぬため…他の手の及ばぬように、『約束』を交わした。

術を用い、言霊を仕掛け、決して違えぬ誓約……。

やがて時が巡り、幼子が年頃の娘へと成長した時、必ず迎えに行くと……。
そして…妻として、その全てを貰い受ける、と……。

意図を込めたそれを、あの時の幼子が何処まで理解できていたかは、獣にも分からない。
あるいは、いずれ忘れるかもしれぬ。
だが、忘れたところで『誓約』は消せはしない。
そうして…『約束』の時は来た。

くちゅ…じゅくっ。

爪で○○の中を傷つけぬようにしながら、獣は少女の中に指を挿し込み、出し入れを繰り返す。

ちゅくっ…ぬちっ……。

水音が上がる度に、少女の息が上がり……、

「ひぁっ、ぃぁ、ぁぁ、ぁっ!」

軽く…とはいえ、初めて達した身体はびくびくと震えながら身をくねらせた。
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