第16章 るろうに剣心【東京編】 最終話
夕方
左之助さんと月岡さん、そして妙さんと燕ちゃんも道場にやってきた
左之助さんと月岡さんの両手には食べ物がたくさんあり、お金を払ったのはすべて月岡さんとのこと
私は左之助さんの腕をつねった
彼は笑って「悪い」と言ったが、絶対に思ってない
私たちは、食べて笑って、呑んで騒いだ
まだ未成年だから、私はお酒を飲まなかったが、私より年下の弥彦君が飲んでいるのを見て、
平成の世だったら絶対捕まってるな、なんて呑気なことを考えていた
楽しい時間というのは、あっという間に過ぎるもので
いつの間にかみんな寝ていた
私は眠い目をこすりながら片付けに専念する
寝息を立てている左之助さんをちらりと見る
どんちゃん騒ぎをしていた時、彼は子供のような無邪気な笑顔を見せていた
私はその笑顔に言い難いなにかを抱いた
違和感は消えるどころか増していった
そんな不安を抱えながら、台所に行きお皿や箸などを洗い、
寝ている人たちが風邪をひかないように毛布を持って道場に行った
すると、先ほどまで寝ていた緋村さん、左之助さん、月岡さんの姿がなかった
やっぱりなにかあったんだ
大事なことは何も言わず、自分たちでどうにかしようとする
『本当、ばか……』
男子のこういうところって昔も今も変わっていない
私は毛布にくるまり、彼らの帰りを待った