第3章 おでかけ
「心配したのよ。怪我とか……って手首切れてるじゃない!」
『だ、大丈夫!!それより……』
私はおずおずと簪を薫さんにみせた
「バカ!!」
やっぱり怒られた
いや、当たり前なんだけどさ
「簪の心配してどうするのよ!そんなことより手首!!怪我までして無茶したことに私は怒ってるわよ!!」
ぽかっと弱い力で頭を叩かれる
「もう無茶はしないこと、いい!」
『は、はい』
「もう。私より身長が高くて年上なのに、どっちが年上かわからないわよ!」
『あはは!そうだね!!』
思わず声を出して笑ってしまった
薫さんは一瞬驚いたような顔をしたけれど
すぐに笑ってくれた
「何を笑っているでござるか?」
「剣心には関係のないこと!」
「おろ?」
「さ、帰りましょ。真愛の手当てもしてあげたいし」
『あ、待って。ちょっと寄りたいところが……』
私は再びあの店へと赴いた
そこのおじさんはとてもいい人で
さっきの出来事を話したら、タダでリボンと髪ゴム、そして簪をくれた
私は、リボンを薫さんに
髪ゴムを緋村さんに手渡した
「これ、私に……?」
『本当はさっき渡そうと思ったんだけど、その……警官に』
「だから先ほどあんなに怒ったのでござるか」
『うっ……』
「ありがとう!これ、大事にするわね!!」
その言葉に私は満面の笑みをこぼした