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恋のお相手は兄妹!?

第2章 兄と妹とその周辺


「それにしても、あんたのご両親も能天気なもんよね。年頃の男と女を一つ屋根の下にしちゃうなんてさ」

食べ終えたパンのゴミを袋に入れ、新しいパンを取り出して、再び食べ始める望。

「そういう事とかあったりしないわけ?」

ニヤリと笑って、面白そうに尋ねる。

「まさか。私たち、全然そんなんじゃないし」

おかずとご飯を交互に口に運んでいく。

「3年も経つのに、未だに目合わせてこないからね。話せるだけだいぶ進歩したと思うけど」

目を合わせるのは…、まぁ数えるほどあるかないかぐらいだ。

そして出会ってまともに話すまでは、半年はかかっているかもしれない。

最初は「ああ」と「違う」しか言わないし、こっちから話しかけないと、絶対むこうからは話しかけてこなかった。

そんな対応に何度イライラしたことか…。

だが、今ではちょっとした口喧嘩もできるようになり、デコピンや撫でるなどの軽いスキンシップ?も平気になっていた。

それは妹の私だけみたいだが―…。

「あ〜。幸男さん、女子苦手なんだっけ?」

「うん。でも、あれはもう苦手とかいうレベルじゃない」

会った頃を思い出して苦笑する。

望も思い出したようで納得していた。

「そういえば、私が初めて会った時すごかったもんね。挨拶しただけなのに挙動不審だったわ」

そう言って可笑しそうに笑った。

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