第2章 兄と妹とその周辺
何で笠松先輩!?もしかして彼女!?
よく見るとうちの制服着てないし…、この制服ってたしか近くにある県立藍臣高校?
「あれ?もしかして、莉緒ちゃん?」
「何!?莉緒ちゃんだと!?」
後ろから覗いてきた小堀先輩がそう言った。
小堀先輩の一言に、ベンチでドリンクを飲んでいた森山先輩も、ガタリと派手な音をたてて立ち上がる。
莉緒…ちゃん?
「小堀さんに森山さん!!お久しぶりです」
莉緒と呼ばれた女子は、笑顔で二人に挨拶した。
最高のキメ顔で森山先輩は、莉緒に歩み寄る。
森山先輩もぞくに言うイケメンなので、普通の女子ならこれで惚れてもおかしくないだろう。
普通の女子、ならの話だが。
「莉緒ちゃん、よかったら今日の放課後…」
「断る」
先程の笑顔が嘘のように、森山先輩をばっさり切り捨てた。
切り捨てられた森山先輩は、「今回もか…」と、リアルに落ち込んでいる。
可愛いけど、すごいなこの人。
…いったい何者?
「小堀先輩、この人誰なんスか?」
「ん?そうか、黄瀬は初めて会うか。この子は-」
「莉緒ー!!久しぶ(り)ー!!」