第52章 -旅行-
部屋に戻って、
ひかりとアイスを食べて
まったりしていたが、
いい加減いい時間になっていた。
つまりはそろそろ寝る時間…だった。
「ふぁ…」
「もう寝るか?」
「えっ⁈あ!ううん…まだ…」
ひかりがあくびをしたくせに、
寝るかと聞くと、
ひかりは全力で否定する。
「バーカ。部屋分かれて寝るんだし、
別に何もしねぇよ。」
ひかりの頭をポンポン…とする。
「修造…」
ひかりはなぜか淋しそうに
オレの顔を見上げてくる。
…っ⁈
その顔、理性飛びそうになるから、
やめろっつーの!
「うん…でも…」
…ギュ。
「ひかり⁈」
ひかりの大胆な行動に、
思わずテンパりそうになる。
「寝たら…明日になっちゃうから…
まだ…寝たくないよ。」
…っ⁈
「修造…わたし…」
「明日も一緒にいるだろ?」
ひかりの肩を持ち、
ひかりを見つめてゆっくり話す。
光平や笑未を落ち着かせるかのように。
「今日ちゃんと寝ないと、
明日を楽しめねーぞ?な?」
「…でも…」
「ひかり、ベッドと布団、
どっちがいいんだ?」
ひかりはたぶん今…
オレと…寝る気だった。
でも、オレはおじさんたちとの約束…
具体的に言ったわけじゃねぇけど、
オレを信じてるっつってくれたし、
それを裏切ることもしたくなかった。
何回も理性崩壊しかけてっけど…。
「修造は?どっちがいいの?」
ひかりもオレの気持ちに気付いたのか、
少し落ち着いたようだった。
「んじゃ…ベッドかな。」
「わかった。じゃ…寝よっか。」
「そうだな。」
オレは和室との仕切りを開けて、
ベッドのある洋室へと向かう。
「修造…おやすみなさい。」
「あぁ。おやすみ。」
ひかりのいる部屋と、
ふすま1枚隔てた部屋のベッドに
オレは潜り込んだ。
ひかりにはあぁ言ったけど…
オレ…寝れっかな…