第2章 後輩の彼女 -瀬見英太-
音羽 side
それから教室に戻り、残りの2時間の授業を乗り越え、帰りのHRも終わった
白布「黒須…」
『ご、ごめん、明日まで待って欲しい』
白布「…わかった」
賢二郎くんは部活に行くため出口に向かって歩きだす
と突然立ち止まって振り返る
白布「…気をつけてな」
え?
『…あ、りがとう』
そしてそのまま教室を出ていった
『っ…』
視界が歪む
私は急いで荷物を持ち家まで走った
なんでこんな時まで賢二郎くんは優しいの?
私の事好きにならないのに?
どうしていつもみたいに優しくするの
『…これじゃ嫌いになんてなれないよ』
家に着いてから賢二郎くんとのことを考える
思い出せば思い出すほど賢二郎くんへの好きが高まっていく
でも明日多分振られる
振られるくらいなら振ってやりたいなんて思ってしまう
賢二郎くんなら金輪際振られることなんてないだろうし
でも次の日からどうしたらいいんだろう
今まで賢二郎くんに会いたくて、賢二郎くんと話したくて学校に来てたのに
(俺は音羽ちゃんが来てくれたら嬉しいよ)
ふと瀬見さんの言葉を思い出してしまう
瀬見さんとたくさん話してたら賢二郎くんのこと忘れられるかな
瀬見さんとの昼休みは賢二郎くんのことなんか忘れるくらい楽しかった
ずるいかもしれないけど、明日賢二郎くんと話したら瀬見さんに会いに行こうかな