第2章 後輩の彼女 -瀬見英太-
瀬見 side
クラスメイト「瀬見ーなんか2年生の子来てるよー」
驚いた、ほんとに来てくれるなんて思ってもみなかったから
『あ、瀬見さん…』
瀬見「黒須さん、来てくれると思わなかった…とりあえず場所変えよっか」
向かう先は軽音部などが使用する音楽室
『…ここ、初めて来ました』
瀬見「そうだよね、俺はバンドとか興味あるからたまに遊びに行くけど…まぁとりあえず座ろっか」
2人でソファーに腰掛ける
瀬見「…白布からはなんか言われた?」
『連絡は来てるけど、怖くて見れなくて…今日は授業のギリギリまで他のとこ行って、終わったらすぐ他の場所行くって感じで逃げたので、わかんないです…』
瀬見「そっか…黒須さんは、あの日言われたことどう思った?」
『正直、あんなふうに思われてたなんて、全く思いませんでした…賢二郎くんから好きって言われたことは確かになかったけど、クラスの女の子と私とだと対応違ったし、私がデート誘ったら2回に1回はおっけいくれてたし、』
瀬見「そっかそっか…これからどうするの?」
『わかってるんです、別れた方がいいのは、賢二郎くんは私に振り向くことは無いから…でも、朝その日の課題のことアドバイスくれたり、部活頑張ってねって送り出したらありがとうと一緒に帰り気をつけてって言ってくれることだったり、そんな些細なことでもほんとに幸せだったから、それがなくなると思うとどうしたらいいのかわかんなくて…』
だんだんと涙混じりになり、ついには泣き出してしまった
俺はそっと黒須さんを抱きしめた
『!?』
瀬見「…黒須さんはほんとに白布のことが好きなんだな」
『っ…』
しばらく俺の腕の中で泣き続けた黒須さん
だんだんと落ち着いたようで、俺からそっと離れた
『…すみません、ありがとうございます』
瀬見「ううん、全然、落ち着いたなら良かった」
あと5分程で次の授業が始まる時間だ
瀬見「黒須さんが嫌じゃなければ、次のコマ俺とサボらない?」
『え?』
瀬見「目赤いまま教室戻るの、?」
『それはっ…』
瀬見「決まり、じゃあ行こ!」
『あ、ちょっ!』
俺は黒須さんの手を取り屋上へと走る