第2章 後輩の彼女 -瀬見英太-
音羽 side
その日の夜は何も考えずに寝た
賢二郎くんからメッセージが入ってるのは見えてたけど、無視した
朝起きたら何故か熱が出てて、今日どうやって賢二郎くんと顔合わせたらいいかわかんなかったからちょうどいいななんて思いながらお母さんにお願いして学校を休んだ
その間もスマホの通知はなってたけど、電源を落としてやった
これからどうしたらいいんだろう
賢二郎くんは私のことなんとも思ってないんだよ
昨日までなら、いつかこんなことがあるかも、あんなことできるかも、そうやっていつかのことを考えて乗り越えられたけど、賢二郎くんは半年たっても私に何の感情もないんだ
手を繋いでデートまでしても賢二郎くんは私に振り向かなかったんだもん
もう、別れるのが私には一番いいよね
けど、賢二郎くんのこと大好きなんだもん、振り向いて貰えない、それでもいいなんて思ってしまう自分もいる
ふと、昨日のことを思い出す
『3年1組の、瀬見英太さん…』
なぜか彼のことを思い出した
明日訪ねてみてもいいのかななんて思う
賢二郎くんの先輩なら、賢二郎くんから何か聞いてるかもしれないし
実は賢二郎くんの照れ隠しでした!とかあったらいいな…
そんなありもしないことを考えながら、また目を閉じた