第2章 後輩の彼女 -瀬見英太-
瀬見 side
白布に彼女がいることを初めて知った
でも、白布は彼女のことを彼女と言うよりはファンから逃げるためとしか思ってないらしい
彼女、黒須さん、どんな子なんだろう
バタン
白布「え?」
瀬見「なんか落ちてる…黒須音羽、え?黒須って白布の彼女の?」
白布「黒須?いや、この時間はいつも帰ってるし何より部活には関わんなって言ってるからこんなとこにいるわけないんだけど…」
天童「賢二郎、さっきの聞かれたんじゃない?」
白布「え」
瀬見「俺、黒須さん探して届けるわ!」
天童「え!?ちょ、せみせみ!?」
その時、なんで白布にお前が届けろって言わなかったのか、俺にはわからん
でも、なんか、白布が今行っても良くないと思って、気づいたら走り出してた
瀬見「黒須さん、?」
『!?』
走ってる女の子がいたから呼んでみたら、その子は涙で濡れた顔をこちらに向けた
瀬見「黒須さん、これ、落としてたよ」
『へ?あぁ、すみません』
瀬見「あのさ、さっきの、白布の話、聞いてたの?」
『っ…すみません、あの、わざわざありがとうございました、私帰らないとなので!失礼します』
そう言って走り出そうとする彼女の腕を思わず掴んでしまった
『!?な、なんですかっ、私帰りたいんですけどっ』
瀬見「白布のこと、相談したくなったら3年1組の瀬見英太のこと訪ねてきて」
『…失礼します』
そう言うと彼女は俺の手を振りほどいて走っていった