第2章 後輩の彼女 -瀬見英太-
音羽 side
私には彼氏がいる
バレー部で2年生にしてレギュラーを張っている白布賢二郎くん
付き合ったのは2年に上がってすぐ、私から告白して条件付きで了承された
条件と言っても部活に関わらないこと、例えば練習や試合に顔を出したり、教室でバレーのことを考えてる時に話しかける等、それさえしなければ別にいいよとの事
しかし私は白布くんと付き合えている気がしない
そもそもバレー部は忙しいので土日にデートというのがほぼ出来ない
なので付き合って半年経つ今でも手を繋いだことがあるだけだしデートに行けたのも3回ほどだ
彼は寮生活なので一緒に帰れる訳でもない
クラスや彼のファンからもほんとに付き合ってるの?黒須の妄想なんじゃない?なんて言われてるのも知ってる
それでも、部活に向かう彼に行ってらっしゃい頑張ってと伝えるとありがとう帰り気をつけてと返ってくる些細な日常が大好きだった
でも、あれにはさすがに心が折れてしまった
それはほんとにたまたま、私が生理痛が酷くて保健室で休んでから帰ろうと思った日
目が覚めたら19時を過ぎており、保健室の先生に謝罪とお礼をしてから帰ろうと思った時
賢二郎くん含むバレー部の人達が歩いてくるのが見えた
部活に関わるなと賢二郎くんから言われているのに出くわしたら待っていたと勘違いされて嫌われるかも、そう思って通り過ぎるのを待っていた
その時にこんな会話を聞いてしまったのだ
?「賢二郎さ〜彼女ちゃんとはどうなの?」
白布「え?」
?「白布お前彼女居たの!?」
?「クラスの子じゃなかった?確か名前は…黒須ちゃん!賢二郎のファンの子が言ってたよ〜」
白布「あぁ、黒須は部活に関わってこないから面倒じゃないし彼女いるって言えば告白してくるやつ減るかなって思ったんで付き合いました」
え?
?「えー!?賢二郎それいいの!?黒須ちゃん可哀想じゃない!?」
白布「まぁ俺から好きとか言わなくても向こうは幸せそうだしいいかなって」
?「白布、お前酷いな」
?「モテる男は大変だねぇ!」
賢二郎くん、私の事そんなふうに思ってたんだ…