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真珠の涙

第14章 長期任務


七海side

呪詛師かと思われた人物は風海の幼馴染で、よく名前を聞く陸さんだった。

呪霊を祓う姿を見た時、スピードやテクニックを含めて強さが滲み出ていた。最強と呼ばれる一学年上の彼らと遜色ないほどの強さ。風海の周りにいる男は、なぜこうも強いやつばかりなんだ。

なのに、あっさりバレるようなマネをしたのは何故か?本来なら私たちに隠れて任務を遂行することなど訳ないはずの実力者。裏があるに違いない。

純粋に風海を心配してのことなのか…

実際、一緒にいることを依頼者に報告するとお叱りの連絡が入った。これは想定内。旅館が吹っ飛ばされることも考えたが、風海がいればこの部屋は安全だろう。

五条さんはともかく、夏油さんの電話が恐ろしかった。静かに怒られるとダメージが大きい。五条さんの場合はしっかり呪霊や山々、建物に被害が及んで八つ当たり対象がはっきりしているから助かるが、夏油さんは冷静な分やっかいだ。近くの任務に当たれば、必ず立ち寄るだろう。5分でも会える時間があるのなら。その時のために一瞬たりとも気を抜けない状況だ。

そして風海が眠る際に頭を撫でたり、安心し切った様子を見ていると、互いに信頼し合っているのを感じる。これは五条さんも夏油さんも焦るのに納得した。

風海が頭を撫でられているのをよく見かけていた。特に夏油さんはよく撫でていて、風海も嬉しそうにしていた。元々その安心する方法をしていたのが陸さんだと思ったら、何かと不穏な空気になるのは仕方のないことだと思った。

極め付けは、次の4月から編入して呪術高専1年生になるという。実力だけで言えば2年生でいいのだが、今まで通りに任務に行くと、座学が追いつかないかもしれないとのことで1年生からになったそう。
このことを五条さんや夏油さんは知っているのだろうか?
また来年も波乱が待っていると思うと、巻き込まれないように気をつけないと…と頭に過ぎる。
自分も密かに思いを寄せていた。
だけど、友だちとして近くにいて傷ついた時に迎えてあげられるようにした。彼らが傷つけることなどないとわかっているが、私は私のやり方で風海を支えていこう。
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