第14章 長期任務
続いて傑さんに電話をかける。
『もしもし傑さん?』
傑「やぁ。どうだい?そっちの任務…というか訓練は?」
『昨日は呪霊がほとんどいなかったのに、今日は結構いて祓うのが大変でした。傑さんが祓ってくれてたおかげですよ!ありがとうございます!
電話もらってたみたいなんですけど…』
少しずつ…ボロが出ないように。
傑「…私に何か伝えることがあるかい?」
…そうきたか…
『あの、陸くんがきてくれました。傑さんがお願いしてくれたんですよね?』
傑「あぁ、風海に心配かけないようにする手筈だったんだけどね?やはり私が行くべきだったかな。」
『やっぱり!昨日は傑さんが来てくれてたんですよね!会いたかったのに、そのまま帰っちゃうなんて…今度はいつ来るんですか?』
みんなとの作戦通り、甘えながら伝えてみた。
傑「風海、私も会いたいのは山々なんだけどね。だからあまり可愛いことを言わないでくれ。任務と悟の世話で目が回りそうなんだ。」
『えぇ?悟さんの世話?ふふっ』
傑「そう、いつもは風海が抑えてくれているんだよ?君がいないのがわかっているから、イライラしていてね。山はえぐるし、建物は壊すし…そろそろ硝子からも連絡が入るんじゃないかな?」
山をえぐる?
やっぱりスケールが違う…
傑「とにかく、怪我をしないようにね?陸が守ってくれるとは思うけど…風海の婚約者は私だということを忘れないで。
いいかい?みんなもスピーカーで聞いているんだろう?庵先輩、風海を頼みます。」
『…ハイ…』
なんでわかっちゃったんだろう?
電話を切ってからみんなで顔を見合わせてため息をついた。