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海軍日誌

第4章 おまけ的な兄弟の話


ロシナンテは自他ともに認めるドジっ子だった。
はじめにドジっ子と言い出したのはだった。自分でもドジが重なり嫌になって泣いていた時、ロシナンテはドジっ子だねと笑ってくれたのを覚えている。

センゴクに拾われてから1年した頃に増えた妹分は、初めこそ何を考えてるか分からないし狂暴な奴だと思っていたがいつからか事ある毎に抱擁し、優しく声をかけてきた。
気が付いたら年下なのに頼れる存在になっていた。

空色の髪をキラキラさせながら走って駆け寄って来る姿はキレイだった。黒目がちの意志の強そうな勝気な目元も、自分よりも小さい背丈も全てが愛しいと思った。

公私共にドジをやらかす事が多いが、が絡むとドジは激減した。
転ぶと危ないと手を繋いで歩けば転ばないし、組手をしてもを怪我させるようなドジは踏まなかった。
兄貴補正なのだろうとなんとなく腑に落ちた。

おれはに関してはドジは絶対に踏まない。
決意にも似たようなものだった。

兄ドフィことドフラミンゴの海賊団へ潜入することを決めた時、絶対には近寄らせてはいけないと思った。
これは直感だったが、とドフラミンゴを直接会わせるのは危険だと思った。
そしてそれは正解だった。

ドフラミンゴに近付いて分かったことがある。
コイツの女癖の悪さだ。
酷いってもんじゃねぇ、女をなんだと思ってんだと我が兄ながら突っ込みたくなった。色々な意味で欲に忠実な男なのだ。兄に抱かれる女を可哀想だと思う時も少なくは無い。

そしては物凄く海賊が嫌いだ。憎んでるといっても過言では無いくらいには海賊に対して非情だ。
海兵としては申し分無いのだが、命乞いして平伏している海賊の頭を踏みつけたりするのは如何なものなのだろうかと、冷や汗が出る。

そんなに、自分の生き別れた兄が海賊でマジでやべぇ事してるから潜入して計画全部潰してやるぜ。なんて言ったらどんな目を向けられるのか怖過ぎて言えなかった。
ドフラミンゴがどうなるかじゃなく、ロシナンテを見る目が変わってしまうのがどうしようもなく怖かったのだ。

そんな諸々の理由で絶対にには事情を説明しなかったしセンゴクさんにも口止めをした。

その努力虚しく、…に関わる事で初めてドジったと思った。
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