第9章 彼を知る人
ずっと、みんなと走って居たはずなのに気がついたらローは別行動していた。
「ロー???」
「…」
ガレキに囲まれて少し開けたところで、私を背中から下ろす。
そこには、既に先客が居た。
白髪のとても体格がいい海兵だ。何故かそばにゴリラもいる。
「少し話がある…おかきをどうだ?」
そう言って袋を差し出され私は1つ取り出すがローは断る。
「いらねぇ、早く話せ」
おかき…懐かしいな。なんて思いながら食べる。
ローはこの人と知り合いなのだろうかと呑気に考える。
「ある日海兵が1人死んだんだ。そいつは私にとって特別な男だったガキの頃に出会い息子のように思っていた。正直で人一倍の正義感を持ち信頼のおける部下でもあった。」
そう思い出しながら話す声を聞いてハッと息を飲んだ。
─おーかーきー!
─あられ、俺です。
もしかしてこの人はと、海兵さんをまじまじと見る。
「だが生涯で1度だけ私にウソをついた。私は裏切られたんだ。しかし理由があったはず。あの事件で消えたものは4つ、バレルズ海賊団私の部下の命オペオペの実そして当時ドンキホーテファミリーに居た珀鉛病の少年」
裏切りは必ず理由があると思い、ずっと信じていたのだろうかこの人は。
「ああ、俺だ」
重々しくローが応える。
「やはりかロシナンテが半年間任務から離れたのはお前のためか」
「ああ、病院を連れ回された」
「それでオペオペの実に手を伸ばしお前を生かす為にロシナンテは死んだんだな。あいつが死んだ理由をはっきり知りたいんだ」
この人はなんて強いひとなのだろうと見つめる。
裏切られた事実があるのにその理由もはっきりさせ受け入れようとしているのだろう。
「ああそうだ。本当は2人で逃げるはずだった。俺はあの人から命も心も貰った。大恩人だ。」
それは私も同じだった。
心を貰った。恩人だ。
「だから彼に変わってドフラミンゴを討つためだけに生きてきた!だが…これがコラさんが望むDの生き方なのか分からねぇ。」
「D?」
「麦わらと同じように俺にもその隠し名がある。元元帥のあんたならDについて何か知ってんじゃねぇか?」
「…さあな」
「おい!ごまかすのか!」
「少なくてもロシナンテは何も知らなかったはずだ。つまりその為にお前を助けたわけじゃない」