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日の守護者【鬼滅の刃】

第2章 歯車が動き出す


家の中には鱗滝という天狗の面を着けた男が居た。
炭治郎の育手のようだが、その姿は見た事がある。

水の呼吸を扱う名前が知らないはずはない。
なぜなら鱗滝は元水柱なのだから。


炭治郎はやっとの思いで鋼鐵塚を家に上がらせて、後ろに着いてきた名前を見る。
名前もどうぞ、という様に手を家の中に招き入れるようにした。

「えっと……どうぞ、な、名前は……」
『まだ名乗っていませんでしたね、俺は苗字名前。鋼鐵塚さんの護衛として同行させてもらってます』


最終選別の時は、炭治郎の名前は聞いたが自分は名乗らなかったなと思い出し、名前を告げると軽く会釈をした。
つられて、炭治郎が軽く頭を下げる。





中に入ると鱗滝の他に一人、部屋の陽の光が当たらない場所に布団が敷いてあり、そこに少女が寝ていた。

独特な雰囲気に名前は表情を固まらせる。






この少女は……






……鬼だ。







認識したと同時に名前は反射的に腰の刀の鯉口を切る。






「待て」




座っていた鱗滝が顔を上げ名前を見た。

「名前と言ったか……今は刀を納めてはくれぬだろうか。これはお館様も承知のこと故」
『お館様が……?』


指を柄に当てたまま名前は呟く。
お館様がこの鬼の少女を容認している?
それに鬼の気配が姿を見るまで感じられない程、普通な鬼にある殺気や血の匂いが無い。




名前の一瞬の殺気を感じ取ったのか、少し慌てたような炭治郎が名前の前に立ちはだかった。

「すいません!俺の妹なんです……!人も食べたりはしないんです……!!」




妹?
耳飾りを伝承している男の妹が鬼で、通常の鬼とは違い、人を食べない……?


そして、お館様が鬼と共にあることを認めている。








「おいおい、早く刀を見たいんだ、後にしてくれぇ」



その場の張り詰めた空気は鋼鐵塚の一言で解かれた。


今は鋼鐵塚が刀の説明をしようと腕をくねくねさせている。
一番の要件はそれだったので、名前は一旦鱗滝と炭治郎を信じ、刀を鞘に納めた。


「……ありがとうございます!」



炭治郎は表情をほっとさせた。
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