第12章 嫉妬【幸村】
でも、こんな先輩ともまだキスまでしかしてない。
家に行ったりもしてるけど、そういう雰囲気にはならなくて。
したとしても、キスで終わり。
私はもうちょっと進んでもいいんだけどなぁ。なんで最後までしてくんないんだろ?
疑問に思って1回聞いてみたけど『ん?』って笑顔で誤魔化されて終わり。
魅力ないのかなぁ?
「ねぇ赤也ぁぁ。先輩私の事なんか言ってない?」
「えぇ?知らねーよ」
「だってぜんぜんキスから進まないの」
「うっわ。マジで聞きたくねぇ」
「相談できるの赤也だけなんだからなんか教えてよぉ」
「ほんとマジでくっつくなって!部長に見られたら……ヒッ」
「何?………あ。。。」
『君たちはなにをしているのかな?』
「赤也……お前…。俺は知らんぞ。」
ふざけてくっついてる時に先輩と真田さんに会ってしまった。
これは……まずい。
『赤也。あとで分かってるね?』
「えぇ。なんでっすか?俺じゃないのに!」
「赤也…。すまんがこれは庇ってやれん。」
「ひぇぇ。」
先輩は冷たく私を見るだけで何も言わずに去って行ってしまった。
え、怒らせたかな?どうしよぉぉぉ。
その後、ずっと真っ青な顔の赤也とは話すに話せなくなっていた所、先輩から連絡が来た。
“今日時間あるよね?練習見に来てほしいんだけど”
この文は命令だ。これ以上機嫌を損ねる訳にはいかない。
うん。絶対行くよ。と返しそれ以降は返事は無かった。
放課後、テニスコートへ向かった。