第11章 3人で【幸村】
「真田も高い所怖がってるし暴れたら危ないしね(笑)」
「な!俺は怖くなど…!!」
『わかったよ。〇はじゃあ俺と乗ろうか』
「うん!」
行ってらっしゃいー!と友達と真田に見送られて精市と二人きりの観覧車。
多分友達が気を利かせてくれたんだよね。
このタイミングで言わなくちゃ。
観覧車はゆっくりと上に登りいつも通りの会話の中
『ねぇ。知ってる?真田って〇の友達が好きなんだよ?』
「…え!?」
『知らなかったみたいだね。〇が誘ってくれた後今日の事すごい楽しみにしてたんだ。』
「知らなかったし、気づかなかった…」
『だろうね。真田はあんまり顔に出ないから』
「…うん。」
『ショックかい?』
「え?なんで?」
『仲良しの真田を取られた気分なんじゃないの?』
「そんな事ないよ。だって……」
言葉を続けられない。精市が好きって後一歩の勇気が出ない。
『だって?』
「…。」
『〇は真田の事どう思ってるの?』
「どうって、友達…?」
『ほんとに?真田の気を引きたくて俺を挟んでるんじゃなくて?』
「…それは違う」
『3人でよくいるけど〇は真田と喋ってる時が1番楽しそうだったからね。真田の事好きなんだと思ってたけど?』
「わ、私がほんとに好きなのは…」
『うん?』
「…精市だよ」
『……本当に?』
「うん。ずっと精市を真田と取り合うみたいにして遊んでたけど本当に好きになっちゃってたの。でも3人で仲良しだし。関係壊したくないしで言えなくて…」
『あぁ。そんな事気にしてたんだ』
「気にするでしょ!?」
『気にしなくていいのに。俺は最初っから〇の事が好きだよ』
「えっ…えっ!」
『でも真田の事好きそうだったし悩んでたけど真田には牽制の意味も込めて俺の気持ち伝えたんだ。そしたら俺はもう心に決めた人がいるって(笑)』
「真田らしい言い方だね(笑)」
『それが〇の友達だったんで今日はすごい楽しみだったんだ。』