第7章 計画

秘書「それにより、会社の損失が出るのを恐れていると？」

カ「あぁ。

・・・・・あの会社はアイツの給料も低くしている可能性もあり得るな。」

秘書「まさか、利益しか出さない人間ですよ？

むしろ報酬を与えれば辞める可能性は減るのに。」

カ「アイツの会社は中小企業だぞ。

うちのように大手ではないし、同じ考えではない。
うちは報酬を与えてやる気を出させているが、

あの会社はアイツに対しては逆だろうな？」

秘書「"金は全て自分たちのものだ"と？」

カ「......金があれば、自分の可能性を信じて新しい挑戦をする。

自分は出来る人間だと思わせてくれる。

だからアイツへの給料はわざと少なくして、可能性を潰し、

"自分は出来ない人間なんだ"と思い込ませる。

こうすることで、アイツを・・・椿姫を縛り付けることが出来ると。」

秘書「・・・・・」

カ「あの土地では車がないと生活出来ない。
アイツは実家暮らしだが、車持ちだ。
車を持つには維持費がかかる。

給料が少なければ、車の維持費や保険等の支払いをするので精一杯だろう。

それに・・・あのあたりはまともな職は無さそうだった。

それがあるから中々行動出来ないのも1つだ。」

秘書「なるほど。」

カ「・・・いや、待てよ。

そう言えば"求人をかけているが中々集まらない"と言っていたな。

サンドイッチ店はどうかはわからんが、

うち(メインドーナツ)の店がいくらフランチャイズでも、募集をかけて人が来ないということはない。」

秘書「そうですね。人が来ないのは大抵、最初のオープンだけ。

あとは店の雰囲気を気に入って、むしろ求人をかけなくても自然と集まりますからね。」

カ「求人さえも、わざと抑えている可能性もあるな。

・・・あとは、接客コンテストの"特別審査枠"に応じない件だが・・・」

そこへとある人物が、社長室に入ってくる。

？「(ｺﾝｯｺﾝｯｺﾝｯ)失礼するでソワール」

カ「...タマゴか。

お前が来たということは、」

タ「カタクリ様、例の調べがつきましたでショコラ。

コレが、報告書だボン。」

室内に入ってきたのは、シャーロット家お抱えの"タマゴ男爵"である。